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ご支援・お見舞いに対するお礼と学習環境整備状況のご報告(4月11日更新)

○現状のご報告

 巨大地震の発生から、1か月が過ぎました。
 今回の震災によってお亡くなりになった方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災をされた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 4月7日(木)午後11時32分頃、法科大学院のある仙台市青葉区は、3月11日の巨大地震以降最大となる、震度6弱の地震に見舞われました。皆さん、お怪我などされなかったでしょうか。今回の地震も揺れが長く続き、また深夜に停電を伴うものであったことから、大変不安な夜を過ごされた方も多かったのではないかと心配しております。
 なお、法科大学院の自習室及び法政実務図書室につきましては、4月8日(金)以降も、これまでと同様に開室しております。また、誠に忝ないことに、8日朝、法律基本科目講座ご担当の弁護士の先生(当法科大学院の修了生)は、事務所の復旧を措いて法科大学院にいらっしゃって、授業を行って下さいました。本当にありがたいことです。

 法科大学院では、現在、新修了生及び新入生を含む在学生の皆さんに対し、今回の震災による被災状況や修学に向けた準備状況についてお尋ねをしております。
 皆さんには、速やかにご回答をお寄せ下さいまして、誠にありがとうございます。
 調査は、引き続き実施しておりますので、まだご回答いただいていない方は是非ご協力下さいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 この調査により、すでに、深刻な被災の情報も寄せられています。改めてお見舞いを申し上げます。法科大学院としてどのような支援が可能か、検討を行っておりますが、私達にできることがあれば、是非申し出て下さい。
 なお、本学ウェブサイト(http://www.tohoku.ac.jp/japanese/keizai_shien.html)では、「修学の機会を確保する観点から、今回の災害により家計が急変して経済的に修学困難になった学生の皆様(災害救助法適用地域に指定された地域に主たる学資負担者が居住している学生)に対して、被災状況に応じて緊急経済支援(入学料、授業料の免除等)を行う」旨の告知がなされております。東北大学教育・学生支援部 学生支援課 経済支援係(電話:022-795-3946、4719 平日 8:30〜17:00)までお問い合わせをいただければと思います。

 先週あった大きな動きとして、学年暦、特に、入学式及びオリエンテーションの日程について、新たな方針が大学本部より示されました(http://www.tohoku.ac.jp/japanese/program.html)。
 これをうけ、法科大学院といたしまして、5月6日(金)に入学式、オリエンテーション(午前)及び総合履修指導(午後)を挙行、実施し、さらに、5月9日(月)より授業を開始することができるよう準備を進めておりますことをご報告いたします。

○ご支援・お見舞いに対するお礼

 前のご報告(3月25日付け)以降も、各地から、お見舞いや様々なご支援のお申出をいただいております。厚く御礼を申し上げます。
 法科大学院協会の呼び掛けに応じて、会員校である各地の法科大学院から、東北大学法科大学院及び東北学院大学法科大学院の修了生及び在学生に対し、引き続き、暖かいご支援の手が差し伸べられております。
 ご支援のお申出については、法科大学院協会(青山善充理事長、中山幸二事務局長代行)のご厚意によって、協会事務局において取り纏めをいただいており、その数は、4月11日現在、50校の法科大学院(北海道北海学園早稲田成蹊國學院首都大学東京東京明治学院専修創価関東学院中央明治青山学院学習院一橋駒澤横浜国立静岡金沢新潟信州愛知学院名古屋南山名城京都京都産業同志社関西龍谷立命館甲南大阪大阪市立大阪学院関西学院近畿神戸神戸学院岡山広島広島修道島根香川福岡西南学院熊本鹿児島九州)に及んでおります。また、法科大学院教員個人の方1名、司法修習生の方1名より被災した学生の受入れを、福岡リーセントホテル様からは、修了生に対し宿泊場所の無償でのご提供のお申出をいただいております。誠にありがたいことです。
 すでに、上記の法科大学院等の施設を利用させていただいている修了生及び在学生も20名近くにのぼり、人の気持ちの温かさと志を同じくする者の連帯に心を打たれております。
 なお、誠に申し訳ないことに、ご支援をお申出いただいた法科大学院の中には、当方よりまだお礼を申し上げていない学校がございます。お礼のご挨拶まで、今しばらくのご猶予を賜りたく、心よりお詫びとお願いを申し上げる次第です。

 また、3月31日をもって、新修了生の皆さんには、在学生用のTKC教育研究支援システムは利用できなくなるとご連絡いたしましたが、同システムを提供されている株式会社TKC様より、5月末日まで、新修了生の皆さんに、引き続き利用をお認めすることとしたいとのお申出がございました。同システムは、法科大学院と新修了生の皆さんとをつなぐ命綱ともいえるものであり、誠にありがたいお申出として、お言葉に甘えさせていただくことといたしました。
 株式会社TKC様のご厚情に、心より感謝を申し上げます。

 さらに、TKC教育研究支援システムを通じて提供されておりますデータベース・Vpassの利用につき、本年度1年間にわたって破格の便宜を図っていただけることとなりました。特に、大学図書館まで遠い場所に避難し、学習を続けている修了生の皆さんにとって、本当にありがたいお申出だと思います。
 株式会社有斐閣様のご厚情に、心より感謝を申し上げます。

○学習環境整備状況のご報告

 このように、全国から多大なご支援をいただく一方で、東北大学法科大学院としましても、学習環境の整備のため、努力を重ねております。
 すでにご連絡いたしましたとおり、法科大学院の自習室及び法政実務図書室は、平日午前9時30分から午後4時30分まで利用可能です。そして、今回の震災による被災状況に鑑み、新修了生の方は、4月22日(金)までの平日、上記時間帯において、引き続き自習室の現在の座席を利用することができます。また、4月25日(月)以降の平日は、201B教室での学習が可能であり、ロッカーも使用することができます。ただし、自習室及び法政実務図書室には暖房が入りませんので、各自で防寒対策を講じて下さるようお願いいたします。
 また、震災後中断していた、学習支援(法律基本科目講座)についても、講師である、当法科大学院修了生の弁護士の方々の献身的なご協力を得て、4月4日(月)より再開いたしました。さらに、教員が担当する予定となっていた学習支援については、予約を要しない公開のオフィス・アワーに形を変えて、教員が短い講義を行い、また広く質問や相談を受けつける時間を設けることといたしました。皆さんにおかれては、必要に応じてご活用下さい。
 さらに、在学生の皆さんに対しては、この1か月の教育面での空白を埋めるため、法科大学院教員によるオフィス・アワーを、4月13日(水)から5月2日(月)まで実施いたします。学習上の個別の質問のみならず、今後のことに関する相談にも応じたいと思います。詳細につきましては、本日(4月11日)に、TKC教育研究支援システムの「お知らせ」欄に掲示いたしました。こちらも、必要に応じてご活用下さい。
 新入生の方には、授業開始が遅れてご迷惑をかけておりますが、本日(4月11日)より、東北大学片平キャンパス・エクステンション教育研究棟1階の法政実務図書室を利用することができます。本年度開講される授業科目の教科書類の配架も始めておりますので、同図書室カウンターにてお手続の上ご利用下さい(お名前を確認した上で、利用証を発行いたします)。ただし、同図書室には暖房が入りませんので、各自で防寒対策を講じて下さるようお願いいたします。法政実務図書室に関するお問い合わせは、電話:022-217-4858までお願いいたします。

 現在、助教及び助手の方にご協力をいただいて、自習室に置いたままになっている教科書、ノート類を梱包して、宅配便でお送りしています。新修了生の中には、取るものも取りあえず仙台を離れ、また、避難先が大学の図書館や大きな書店まで遠く、必要な学習資料の入手に困難を感じている方も少なくないことと思います。宅配便での送付を希望される方は、までご連絡下さい。
 また、3月11日以降、新刊の書籍・雑誌が仙台市内で配送されない状態となりました。市内の書店経由で購入していた法律雑誌については、まだ届いておりませんが、この間に刊行された法曹時報と判例時報については、東京の書店に注文して、法政実務図書室に配架いたしました。また、本日(4月11日)より、大学生協経由で入手した書籍も随時配架しています。学習に必要な法律書、雑誌がありましたら、法政実務図書室までご連絡下さい。

○おわりに

 この2週間の間に、仙台市中心部では、食料品、生活必需品やガソリンを求める行列が次第に見られなくなりました。しかし、日常生活の再建から復興に向けて立ち上がろうとしていたところに起こったのが7日の大きな地震でした。そして、本日(4月11日)夕方にも、大きな余震が発生しました。
 苦労して元に戻した部屋に再び散乱した物を前に、無力感を憶えた方もいることと思います。また、復興どころか、以前の生活環境、学習環境の回復さえままならないことに、苛立ちを感じている方もいるでしょう。物理的な被害とともに、ようやく立て直したみなさんの気持ちへの影響をとても心配しています。
 震災から1か月というのは、確かに一つの区切りではありますが、そのことに拘る必要はありません。自分のペースで、日常を取り戻して行きましょう。そして、不安や焦りを無理に抑え込まず、自分の感じていることを誰かに話してみて下さい。仙台にいらっしゃる皆さんは、本日掲示された、私のオフィス・アワーなどは、そのような機会として利用してくれればよいと思います。
 また、仙台を離れている方のために法科大学院として何かできることがあれば、まで遠慮なくご連絡下さい。できる限りのことをしたいと考えています。なお、ご連絡を下さる際には、簡単に近況などもあわせてお知らせいただけるとうれしく思います。
 それでは、皆さん、くれぐれも身体に気をつけてお過ごし下さい。

平成23年4月11日
東北大学法科大学院長
佐藤隆之

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