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第71号 02/15/2011

◇新司法試験 合格体験談

 去る平成22年10月14日(木)に開催された「新司法試験合格者と語る会」における講演概要の第2弾です。
 今回は、佐藤英樹さんの合格体験談をご紹介いたします。

合格者体験談

佐藤英樹さん

<はじめに>
 皆さん、こんにちは。佐藤英樹と申します。私は東北大学法学部を卒業後、2008年度に既習者コースで入学し、今年3月に卒業し、5月に試験を受けまして、なんとか合格しました。ちなみに選択科目は国際私法でした。

<ロースクール時代>
 先程、赤石さんは、完全単独行動はお勧めしないとお話されていましたが、私は、ロースクール時代、完全単独型であまり人とゼミを組んでいませんでした。ただ、周りに必ず情報通の人がいまして、その人が話していることをよく聞いて、自分の勉強や試験対策に活かしていました。それで十分だったかと問われると答えづらいのですが、人それぞれのやり方があると思います。

 L2の時代は、前期に民事訴訟法の授業が週3コマありまして、毎日民事訴訟法に追われているという気持ちでした。他の科目の授業ももちろんあったのですが、他の科目の予習・復習の時間をなかなかとれず、もどかしい時間だったと思い返しています。

 何が足りなかったかというと、やはり割り切りが大事だったと思います。これくらいまで予習をしておいたら、話を聞いてもう一度考える、この時間までやったらもう止めるという割り切りがとても大事だと感じています。試験でも、1つの論点について長々と論じてしまうと、他の論点を落としたり、時間どおりに書けなかったりします。ですから、ある程度のところで割り切る姿勢は、試験においても大事だと思います。

 L2の間、私は司法試験対策の勉強はあまりしておらず、過去問の択一試験を解くぐらいでした。今になって、試験を受けながら思ったことは、もっと択一試験対策をやっておけばよかったということと、もう少し早めに論文の練習をしておけばよかったということです。

 論文には、ある程度の型とか論点の割り振り方があって、あまり練習をしないまま突然書けと言われても、なかなか難しいと思います。余計なことを長々と書いたり、必要なことを間違って書いたり、相手に伝わらないような形で書いてしまうということもありますので、早めに書いてみることはとても大事だと思います。

<私の経験等から>
 私自身の勉強で皆さんにとって有用なことはあまりない気がするので、各科目について細かく述べるということはせず、私自身の体験と周囲から聞いたことから、皆さんにお伝えしたいことを3点に絞ってお話しさせていただきたいと思います。

 一点目は法律の条文の重要性、二点目はアウトプットの重要性、そして三点目は生活面の話になりますが、普段の生活を試験型にすることというものです。すべて当然のことといえば当然なのですが、敢えてお話しさせていただきたいと思います。

○法律の条文の重要性
 一点目は、先生方からも言われていることと思いますが、条文がすべての法律問題・法解釈のスタートになるものです。よって、各法律の条文構造の理解が問題にあたるうえでは大前提になります。もちろん判例も同様に重要なのですが、判例もその根拠を条文に求めているのですから、やはりいちばん基礎となるのは条文理解になると思います。

 これは、各法律の全条文を暗記しなければならないというものではなく、例えば民法の中で「賃貸借」、「条件」、「法定担保」という用語を聞いて、少なくとも大体何条あたりであるとすぐに頭に浮かぶ状態であることと考えていただければよいのですが、これを試験までに押さえておくことが有用だと思います。

 なぜならば、択一試験の多くの問題が条文知識を問うものであることに加えて、論文試験で未知の問題にあたったときにおいても、その問題にかかわる条文さえ頭に浮かべば全く足がかりがない状態になることは避けられるからです。このとき関連条文をページをめくりながら探さなければならない状態ですと、おそらく時間内に充分な回答をすることは難しいでしょう。

 私自身択一試験を受け、もっと条文にあたっておくべきだったと反省したことを覚えています。そこで、少なくとも一度は各法律の条文を素読することをお勧めします。最近の択一試験においては細かい条文知識を問う問題が増加する傾向にあるので、その対策としても役に立ちます。

 また過去問の択一数年分をやり、自分の弱点を洗い出してからその部分の条文および基本書を読み返すという方法も、各法律のなかで自分が理解できていない部分を見つけることができ、条文理解を定着させることができます。

○アウトプットの重要性
 二点目は、インプットだけでなくアウトプットをして、できれば、それに対して第三者に客観的な評価をしてもらう機会があればなおよいと思います。覚えたものを表現することによって頭に定着させることができ、評価をしてもらうことによって自分の知識を相手に理解してもらえるような書き方になっているかどうかを確認することができます。

 私の論文試験の成績と自らの勉強を照らし合わせると、やはりアウトプットの練習量と成績の間に相関関係がありました。

 ここで一つ留意していただきたいのは、基礎知識が不十分な状態でそれをしてもあまり効果はないということです。これは全くの私見ですが、基礎知識が不十分な状態でアウトプットをしても、それ自体が誤りである可能性が高いだけでなく、その解説を読んだり誤りを正されたりしても、頭に残りにくいのではないかと考えるからです。

 ご自身でまだまだ基礎知識が足りていないと思う方は、まず基本書や判例集で知識をインプットすることの方を優先すべきだと思います。

 アウトプットの方法はそれぞれに合ったものでよいと思いますが、私は主要科目についてはゼミを組むことはせず、弁護士の方々が開いてくださる萩法会と模試を一度受けたほかは、過去問や法学教室に連載されている問題演習、事例研究などの本等の問題を一度書いてみて、理解が不十分な点について基本書等の該当部分を読み返すということを行っていました。

 選択科目だけについてはゼミを組んでおりまして、他の方と一つの問題について時間を計りながら書いて全員分の回答を共有し、自分たちでは解決できない点、理解が足りないと思われる点をまとめて先生に質問して解説していただくということを行いました。ゼミと自分自身でやることでは、それぞれ一長一短あると思いますので、ご自身に合った方法を選択すればよいと思います。

○生活面
 三点目は簡単に述べたいと思いますが、完全夜型の勉強はお勧めしないということです。司法試験は朝9時半から夕方17時頃まで行われるもので、受験生は頭の働くピークをそこに合わせなければなりません。ここで普段の勉強を夜型にしていると、なかなか朝にピークをもってくるのが難しいと思いますし、私が知っている夜型の勉強をしていた受験者は、試験直前に生活パターンを修正するのに苦労していたので、今のうちから最低限上記の時間は勉強するようにした方がいいと思います。

<最後に>
 ここまでが皆さんにお伝えしたい主要な事項ですが、最後に二点だけ付け加えたいと思います。

 一点目として、L3の方々は試験まであと200日弱しかないです。L2やL1の方々も1年は365日ずつしかありません。ですから、試験までの勉強スケジュールを立てていただきたいと思います。これは私の反省なのですが、L3の場合ここから試験までの時間は思っているよりも早く過ぎてしまします。何も考えずに過ごしてしまうと、結果として勉強量が偏ってしまいますので、各科目に対する時間配分を自分で決めて、試験まで頑張っていただきたいと思います。

 そして最後に、これは過去の先輩方もおっしゃっていることですが、最後まであきらめないということです。おそらく、去年の今頃の私の知識と今皆さんの知識とではさほど変わらないのではないかと思います。要はここからいかに勉強するかが合否の分かれ目で、これから試験直前まで自分で見切りをつけず、あきらめずに勉強し、試験においても最後の一文字まであきらめずに考え抜けば、きっと結果がついてくると思います。

 以上が私の体験から皆さんに伝えたいことです。ご静聴ありがとうございました。

質1:勉強では割り切りも大事だとお話されていましたが、どれくらいのところを目安として割り切っていましたか?
答1:私の場合、例えば、L2の時期ですと、予習課題についてはとりあえず各問に答える、わからないところでも各問にはある程度の答えは出しておく。ただ、わからないところを突き詰めてどんどん調べていっても、あれもこれもわからないとなり、結局深夜になってしまうので、わからないところがわかったら、とりあえずそこで調べるのを止めるという形で割り切っていました。
質2:授業はどのように利用しましたか?
答2:人によっては、自分のことだけをやっていればいい、自分に質問があたったらそれに回答するだけでいいという人も中にはいたようですが、私は、授業は耳を張って聞いておりました。それが、どこにどうつながるかは正直なところわかりませんが、ある法律の分野でも他の分野でヒントになることもあったりしますので、授業に真摯に向き合うことが大事だと思います。

◆編集後記

 今年は、全国的に雪が多いとの報道がありましたが、ここ仙台でも例年に比べ雪が少し多かったように思います。

 2月に入り在学生の後期試験が終了し、ホッとしている方もいると思います。卒業生は今後も新司法試験に向けて大変な日が続きますが、身体に気をつけて着実に歩を進めてほしいと思います。

 今回は新司法試験の合格体験談・第2弾をお送りしました。今回の講演の内容についてご寄稿及び掲載にご快諾いただいた佐藤さんに、心から御礼申し上げます。

(杉江記)

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発行:東北大学法科大学院広報委員会

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