東北大学法科大学院

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東北大学法科大学院メールマガジン

第66号 09/30/2010

◇「合格者と語る会」開催のお知らせ

 東北大学法科大学院では、本学の在校生および修了生を対象に、本年度新司法試験に合格した4名の修了生との懇談会を以下のとおり開催します。
 皆様、奮って御参加下さい。

日時 10月14日(木)18時00分〜19時30分
場所 東北大学法科大学院(片平エクステンション教育研究棟)講義室201A

◇平成23(2011)年度東北大学法科大学院学生募集要項について(再々掲)

 「平成23(2011)年度東北大学法科大学院学生募集要項」がホームページに掲載されております。出願書類の用紙の請求は、入試関係資料請求ページ(テレメールWeb)から行って下さい。請求方法の詳細は、テレメールWebのアドレスにアクセスした後、ページ内の指示に従ってください。
 出願期間は、10月6日(水)から10月13日(水)までとなっていますので、ご注意下さい。

(募集要項)
http://www.law.tohoku.ac.jp/lawschool/info/boshuyoukou.html

(資料請求)
http://telemailweb.net/web/?420005

 また、平成23(2011)年度東北大学法科大学院パンフレット(PDF)がホームページに掲載されております。是非ご覧ください。
http://www.law.tohoku.ac.jp/lawschool/download/

◇トピックス ―連続講演会その2

 さる6月24日(木)に片平キャンパス法学研究科第4講義室において、本法科大学院の卒業生である佐瀬充洋さん(現司法修習生)、押見和彦弁護士をお迎えして、第1回連続講演会「夢をかなえるために ―法科大学院でどう学ぶか―」が開催されました。

 前号(第65号)の佐瀬充洋さんに引き続きまして、今回は、押見和彦弁護士によるご講演の概要をお送りします。
 ご講演では、法科大学院での学び方について、弁護士としてのご経験を踏まえて、詳しくお話いただきました。

夢をかなえるために ―法科大学院でどう学ぶか―

本学2008年卒業生 押見和彦弁護士

<はじめに>
 私の方からは弁護士の立場で少しお話をさせていただきます。私は東北大学の法学部出身で、そのまま東北大学のロースクール既習コースに進学しました。卒業後、新司法試験に無事合格して、弁護士になりました。佐瀬さんとは事前に打ち合わせをしていないので、話が重複する部分もあるかもしれないですが、そこはご容赦下さい。

<ロースクールで学んだことはどのように役立つか>
○司法修習において
 佐瀬さんが修習のことを色々紹介してくれたので、まずは、修習の中で、ロースクールで学んだことがどんな風に役に立つのかを最初にお話したいと思います。佐瀬さんが話していた通り、修習は2ヶ月単位で変わるので、慣れた頃には次の修習になってしまい、時間がすごく短く感じます。

 そして、最後にある集合修習ですが、連続講義が5個詰まっているものと思っていただければよく、5科目を同時に2ヶ月で一気にやって、最後に司法試験なみの凄まじい試験が待っているというような驚異的な生活を送らなければならないです。本当に、自分が修習についてどれだけ甘い考えを持っていたのかと、反省であり懺悔ですが、ロースクール時代に色々な事をやっておいた方がいいというのは佐瀬さんが話していた通りです。

 修習中は、普段から、教官が色々なことを質問してきます。また、基本的な法律用語は全てわかっていることが前提で色々な会話が飛び交います。ですから、法律概念の定義や、手続きの流れ、有名な判例の結論、論理の流れ等を押さえていないと、すぐ話についていけなくなってしまいます。そのたびに、「すみません。その話は知らないです」とか、「すみません。その定義ちょっと分からないです」とか話を止めていたのでは、あっという間に2ヶ月が終わってしまい、最終的に、「修習で何をしていたのだろう」ということになってしまいます。ですから、今のうちから是非、定義とか手続等の基本的なことは押さえておくという気持ちでいてほしいです。

 しかし、そうはいっても、たくさんの定義や手続等全部を暗記するというのは、人間の能力として不可能なので、自分が知らない場合にも対応できるために、法律家はこうやって考えるという考え方の基本的な部分を今のうちに意識しておくのがいいと思います。

 皆さんは、法律の世界で重要になってくる考え方の1つとして「法的三段論法」という言葉を聞くことがあると思います。法律の世界にはいろいろな要件、例えば法律効果が発生するために必要な要件とか、手続きが適法になるために必要な要件とかがあります。そういった様々な要件について、具体的な事実を見たときにそれが満たされているかどうか判断するという、そういう思考回路を辿っていくことが法律家の基本的な考え方だろうと思います。そういう癖を今のうちから付けておくと、何か分からないことを聞かれた時にも、自分の頭で考えることができるので、今のうちから意識した方がいいと思います。

 もう一つ、法律の世界には色々なレベルの話が存在します。例えば、民事訴訟では、主張レベル、証拠レベル等のピラミッド型を書いたりすることがあると思いますが、今どのレベルの話をしているのかということを意識しておいた方がいいと思います。何となく「ここの話なのかな」という風に突き進んでしまうと、よく分からなくなるくらいならいいですが、とんでもない勘違いをして別の結論に辿り着いてしまう危険もあり、もしそれが本番の試験ですと目も当てられない結果になってしまいます。今どのレベルの話をしているのかを日頃から意識していると、勉強の効果が上がると思います。

○弁護士になってから
 修習については佐瀬さんがたくさん話をしてくれたので、私は、弁護士になってロースクールで学んだことがどんな風に役立つのかということを中心に、これからお話ししたいと思います。

 ロースクールで学んだことが、果たして実務に出た時に役に立つのかどうかですが、結論としては、役に立たないことは一つもないと思っていただいて間違いないと思います。これから具体的にこんな風に役に立ちますということをお話しますが、ロースクールで学んだことは、本当に一つ残さず役に立つ内容だという風に理解して下さい。

 では、実際、どのように実務に関わってくるかですが、弁護士になると、色々な場面で色々な質問をされることがあります。例えば相談に来た人から「お金を返してほしいと言われたのですが、どうしたらいいですか?」とか「離婚したいのですが、どういたらいいですか?」というような大まかな質問をされたりします。その時は、これまでに学んできた民法の知識がないと何も答えられないし、逆に、試験でこの質問に答えたことがあると記憶していた場合などは相談者から聞かれてすぐに答えることができることもあります。

 手続関係についても、「裁判ではどんな流れで進むのですか?」とか「自分は裁判に行かなければいけないのか?」「友達を連れて行ってもいいのか?」といったことも聞かれたりします。刑事では、接見に行ったときに、「こんなのは捜査、違法ではないですか?おかしいのではないですか、先生!」といきなり言われてしまうこともあり、どうなのだろうと考えてしまうこともあります。そういう時にも、すぐに答えられるように今のうちからしっかりと基本的な部分を押さえておく方がいいと思います。

 もちろん質問されてすぐに対応しなければいけないというわけではないですし、無責任なことは言えないので「少し調べてから折り返し連絡します」ということもできます。ただ、すぐに答えられないと手遅れになってしまうこともあります。例えば、すぐに答えられなかったために欠席判決が出てしまったとか、調書を取られて署名もしてしまったということになった場合に、後からそれを覆すというのはもの凄い労力のかかることです。質問された時にすぐに答えていれば防げたのであれば、すごく後悔することになりますので、そのようなことにならないためにも今のうちから基本的なところは押さえておいた方がいいと思います。

 また、判例の知識もすごく役に立ちます。相談者や依頼者からみれば、ベテランであろうが若手であろうが弁護士であることには変わりないのですから、本当に何でも聞いてきます。少し話しただけで、「こういう場合はどうなのですか?」とか、「この事件は勝てますか?」と聞かれたりもします。「そんなことを聞かれても困るよ」という気持ちを抑えつつ、判例を頭の中で検索して、似たような判例がなかったかな、ロースクールの時に勉強した中にこんな判例あったはずだ、と記憶から探し出して答えたりします。

 また、ろくに調べもせずに、「これ勝てますよね」と言ってくるのはまだいい方なのですが、今はインターネットで何でも調べられるようになったので、自分で調べた上で聞いてくる方もいます。そういう方に限って、結論しか見ていなかったり、にわか知識で来たりするので、「これ取り消せるってことは無効ですよね」(誤った知識)とか、「これ慰謝料何百万円が相場だから、私はこれくらい貰えますよね」(根拠なし)と聞かれたりします。

 実際は「具体的な事実が分からないと何も答えられないです」ということになるのですが、判例では裁判官はどういうところを重視してどういう論理の流れで結論を導いたのかということを知らないと、そういう方に対して納得のいく説明ができないです。逆にロースクール時代にちゃんと勉強した事案などについては、質問された時点でしっかりした対応をすることができたりします。

 私は弁護士なのでその立場からお話しましたが、裁判官になる人にせよ、検察官になる人にせよ、法曹でないけれども法律の専門知識を持って社会に出る人にせよ、色々な場面で質問をされることがあるのは同じです。裁判官になれば判決を書かなければいけない、決定を出さなければいけないです。検察官もポイントになる構成要件をきちんと満たすような調書を書かなければいけないので、どういった事実があった場合に判例では認められ、あるいは認められなかったかを知らないと適切な取り調べ、起訴をすることができません。どんな職業に就いても、法律の専門家になる以上は、判例は避けては通れない重要なものだと覚えておいて下さい。

 とはいえ、全部の法律分野を習熟して、どんな質問にも完璧に答えられるというのは、人間の能力上不可能に近いものだと思います。判例がない分野や、法律が制定又は改正されたばかりの分野では、覚えている知識だけでは対応できないということもあります。そのような場合には、最初に戻ってしまいますが、要件は何か、この要件を満たすものは何かといった考え方の基本が大切になります。そして、法律や契約書の趣旨から考えていくという癖を、ロースクール時代からしっかり叩き込んでおくと不測の事態にも十分に対応できるようになれると思います。

<ロースクールでの勉強方法>
 次に、ロースクールでの勉強方法について、勉強の姿勢や精神論等も入ってしまいますが、一つの例として参考までにお話したいと思います。

 私は、司法試験に合格するまで、予備校をほとんど使ったことがなかったです。旧司法試験を受験したときは何回か使いましたが、ロースクールに入学してからは、直前に模試を受ける程度でした。ロースクールの予習や復習をしているだけで時間も体力もギリギリだったので、ロースクールを信用してやっていこうと思って勉強していました。

 ただ、ロースクールの授業だけでは不十分だということもわかっていたので、自主ゼミを組んで友達同士で、答案書いて見せ合ったり、検討し合ったりして、自分の答案が人にきちんと伝わるような文章になっているかというのをチェックしていました。

 でも、やはり授業が一番重要だと思います。私は授業を無駄にしたくなかったので、事前の課題は絶対やるようにしていました。中には、本当にそれで試験に合格するのですかという方もいると思いますが、現実として私はそれだけで合格できたので、ロースクールで学んだ基本さえきちんと自分に叩き込めば合格できるレベルになれるだろうし、司法修習に行ってもちゃんと修習を意味のあるものにできるレベルになるのだろうと思います。

○受験科目以外の科目について
 受験科目以外の講義についてですが、中には、司法試験に受からなかったら話にならないから意味がないと考える方もいると思います。ですが、私としては受験科目以外の科目も頑張って欲しいと思います。受験科目以外の科目の講義を受けることの意義について少しだけお話します。

 まず、法律の専門家になるのであれば、受験科目以外の科目であっても必ず役に立つというのが第一だと思います。修習でも、弁護士になってからでも、「講義を取っていなかったから分からないです」という言い訳は絶対に通用しません。ですから、どんな科目であっても最終的には役に立ちます。

 また、受験科目である公法系、民事系、刑法系、選択科目をどんなに一生懸命頑張ったところで、わからない問題が司法試験には出ます。そもそも見たことがないような問題だったり、見たことはありそうだけど内容が少し変えてある問題だったりします。そのような問題に直面した時に、底力を発揮するためには、どれだけ幅広い法律に触れてきたか、本気を出して法律的な考え方を学んできたかということが重要になってくると思います。あの法律であればこういう考え方をしたが、他の法律では応用がきかないということは全然ありません。法律である点は同じですし、要件があって効果があるという部分では変わらないですから、そういう意味でも受験科目以外の科目で一生懸命頑張ることは、幅広い法律の知識も身に付くし、法律の考え方も叩き込まれるという意味ですごく大事だと思います。

 例えば、選択科目にある破産法、労働法、知財法などは、すべて民法とリンクする科目ですし、そのような科目の勉強が民事系の論文試験で役に立つということはよくあります。また、東北大学のカリキュラムにある「ジェンダー法」は、憲法であれば平等権の関係で勉強することになりますし、民法であれば家族法に関係しますので、その対策にもなります。このように、受験科目以外の授業でも受験科目にリンクしてくることはいくらでもあることなので、授業の受け方ひとつでどんどん受験に活かすことができます。

○授業の受け方について
 東北大学ロースクールのカリキュラムも、活用次第ではどんどん実力が伸びるように組まれています。もし能力が伸びなかったら、自分に問題があるのではないかと考えてもいいくらいだと思います。授業は、自分から学んでいくという姿勢がないとなかなか効率が上がらないです。

 例えば、1から10まで先生が全部教えてくれるという、そんな懇切丁寧な講義をしていたら、2〜3年で司法試験合格レベルまで行くなんて出来るわけがなく、10年以上かかってしまうのではないかと思います。ロースクールは、2〜3年というすごく短い期間ですから、どんどん自分の方から学んでいかないと、あっという間に終わってしまいます。ですから、近い目標でいえば合格レベル、そして、修習に耐えられるレベル、実際に実務家として対応できるレベルに、自分のレベルをどんどん上げていくという意識で、是非授業を利用して下さい。

 適切な言い方かは分からないですが、私は、講義を受ける時に、その講義の中に不十分な点はないかどうかという気持ちで講義を受けることが好きでした。本当に先生はきちんと正しいことを教えているかどうか、ある意味疑心暗鬼に先生の講義を聴いて、少しでも納得できないことがあったら質問に行ってやろうというくらいの気持で授業に臨んでいました。そうはいっても、授業中に授業を止めて質問するのは憚られるので、授業が終わってからこっそりと先生に質問に行くことが多かったです。先生は質問に対して適切に対応してくれますので、自分からどんどん疑問点をぶつけていき、授業で足りなかった分は自分で補うくらいの気持ちで、授業に臨むと実力も上がっていくと思います。

 あまり普段から先生と話さない人もいるかもしれませんが、そういう場合には、友達に聞いてみたり、友達に聞いてもよくわからないときは、一緒に先生のところに質問にいくというのもよいと思います(1人で行くと、先生に完膚なきまでに言い負かされる恐怖がありますが、友達を2〜3人誘って弁護団を組んで行けば怖くありません)。そのような場合でも先生は適切にアドバイスを返してくれますから、そういう意味でも周りの友達とどんどん話すことが大事だと思います。

○ロースクールの仲間と
 佐瀬さんが「伝わらなかったら評価してもらえない」と言ったのはまさにその通りで、どんなに理解していてもそれを相手に伝えることができなければ、理解していないことと同じになってしまいます。例えば、ロースクールの試験で、採点する先生に理解できないのであれば、それは司法試験の試験委員の先生にも理解できないだろうし、もっと言うと裁判官にも理解できないだろうと思います。

 弁護士というのは、自分でしっかり考え自分で調べた知識を使って裁判官を説得するくらいの気持ちでやらないと、実際に訴訟になったときに書面を書けないです。また、相手方と交渉する時でも、相手を説得しない限りは自分たちのプラスにはならないです。ですから、きちんと相手に伝わるように、自分の考え方が正しいということを説得的に言えるようになる必要があります。

 そうすると、まずは身近なところで、友達と答案を見せ合うことがすごくいい勉強法だと思います。友達にすら「これ何を言っているのか分からない」と言われるようだったら、先生にだって理解できないだろうから、反省して直していくことができます。

 これだけたくさんの同じ目標を持っている人達がいる中で勉強をすることは、修習中でもある程度できますが、ロースクール在学中ほど濃く、自由にできることはもうないと思います。ですから、2〜3年間、一緒に過ごす仲間がこれだけいるわけですから、互いに高め合って全員で合格するというくらいの気持ちで、スクラムを組んでやっていくのが合格の一番の近道だと思います。

○過去問、ロースクールの試験問題の活用
 ロースクールで受けた試験、過去問も含めてですが、これを活用しない手は本当にないと思います。新司法試験に対応できるように、先生方は考えてテストを作って下さっているので、ロースクールの試験は何度解いてもいいと思います。一度解いただけでわかるというのはなかなか難しいですし、何度見直してもまた新しい発見があるような問題もあります。答案を書く機会はなかなか少ないと思うので、定期試験の過去問は全部解いてみるのがよいと思います。

 新司法試験の過去問ですが、とりあえずチャレンジしてみるというのも大事だと思います。皆さんの多くは、ある程度実力がついてから解いてみたいという気持ちがあると思いますし、知識もないのに受けてみて全然解けずに落ち込むのが嫌だという気持ちも本当によくわかります。でも、落ち込むのは早い方がいいです。直前になってやってみて落ち込むと取り返しがつかないですが、L2の時期だったり、L3の最初の時期だったら、まだ、そこから取り戻す元気がわいてきます。ですから、早いうちに過去問に目を通して、実際に解いてみて、早いうちから対策をするのに越したことはないだろうと思います。

<最後に>
 皆さんは、東北大学法科大学院の入試をくぐり抜けて来たのですから、一定の力があることは、ここにいる時点で分かっていることです。その皆さんが本気を出して勉強したら、効率も上がるし、実力もどんどん伸びるというのは当然のことです。ですから、「全員で合格するぞ」というくらいの勢いでやれば、本当にそれも夢ではないと私は思います。

 本気になるのが遅すぎるということはないので、今日からでも明日からでも「よしやってやるぞ」と思ったら、自分の中で勉強方法を考えたり、あるいは、考える時間がもったいないというのであればすぐに勉強に取り組んだりして欲しいと思います。また、その中でどんどんロースクールを活用して仲間と付き合いながら頑張って欲しいと思います。

 皆さんは、貴重な時間を割いてここに来てお話を聞いてくれたわけですから、皆さん全員が新司法試験に合格して、修習に行って、実務に出ることを本当に心から願っています。皆さんのことを応援しています。ありがとうございました。(拍手)

質1:予習を重視されているというお話でしたが、具体的に予習はどのようにやっていましたか?
答1:予習課題として、これを考えて来て下さいというものはすべて考えていって、自分なりの考えを作っていくというのが予習の基本でした。予習の中で、わからないことが出てきたときにはメモをしておいて質問リストを作っておき、授業の中でもわからなかったものは、授業が終わったらすぐに先生に質問をしていました。また、予習のノートは、授業の内容を書き込みやすいように、余白は多く空けて作成していました。
質2:授業の復習はどのようにしていましたか?
答2:復習は、授業が終わってすぐにはあまりしませんでした。授業中で全部理解してやろうというつもりで予習をしっかりしていましたし、わからないことはすぐに先生に質問をしたりして解決していたので、復習のためにしっかり時間を作るというのは、試験前に授業がなくなっている時期でした。あとはL3になったときに、L2のときにやった実務○○法関係の科目の復習を仲間うちでやりました。
質3:今振り返ってみて、ロースクール時代に受けなかった授業のうち受けておけばよかったと思うものを教えて下さい。
答3:私は、労働法と社会保障法を受けていなかったので、今からでも授業を取り直したいです。弁護士の仕事の中で、労働関係の相談があったときも基本的な知識を自分で調べる必要がありますし、年金や保険についても社会保障法をある程度やっておけばよかったなと思います。倒産法と応用倒産法は選択科目としていなかったのですが、授業をとっていました。今はその知識はすごく役にたっています。
質4:毎日予習復習で忙しいと思いますが、週末や休みの日はどのように過ごしていましたか?夏休みなどの長期休みについて、メリハリをつけるためにどのような工夫をしていましたか?
答4:少なくともL2のときまでは、勉強は金曜にまでに終わらせて、土日は遊んだり休んだりしていました。そうするために、金曜日は次の月曜日の予習を死ぬ気で終わらせるようにしていました。ロースクールには仲間がたくさんいましたが、ある意味狭い社会であり一般常識についていけているのか不安になっていたので、むしろ土日くらいはロースクール以外のところで過ごすようにしていました。
 L3になってくると、自主ゼミを組んで、普段の平日ですとやはり予習復習があるので、土日に集まれるようにしていました。ただ、それも一日中やるのではなく、半日くらいにして、後は自分のペースを取り戻すという時間に充てていました。
 長期休みは、集中講義をとれば、それに合わせて学校に行っていましたが、L2のときの長期休みは本当に休んで、実家に帰省したりしていました。
質5:自主ゼミをうまく動かすコツがあれば教えて下さい。
答5:私がやった自主ゼミで一番成功したのは答練のゼミでした。問題文は全員が読んできて答案は担当者が作る、担当者が他のゼミ参加者の分も答案をコピーして事前に渡しておくという感じでやりました。担当者からすると作業量が多いので、1週間おきに担当が回ってくるように組みました。担当者が書いてきた答案を、全員で目を通して「この表現はおかしい」とか、「何が言いたいかわからない」とか皆で言い合って、1つの答案をよりよいものにするというようにしていました。このゼミは、受験科目すべてについてやって、最後まで続いたので、うまくいったのかなと自分では思っています。
質6:択一の勉強はいつからどのような形で始めましたか?
答6:私の場合は旧司法試験も受けて択一だけ通ったことがありましたので、あまり択一を重視していなかったです。そのせいか択一についてはすごく出遅れてしまい、L3の夏のTKC模試では悲惨な結果になってしまいました。これはまずいと思い、旧司法試験にはない訴訟法や行政法の肢別本をとりあえずやってみました。しかし、点数がなかなか上がりませんでした。
 そこで、過去問や模試の間違った問題だけ全部チェックしてノートにまとめるということをしました。知らなかったけど正解してしまったという問題については、また同じように考えて正解できるはずだと思い込んで無視することにしました。そして、受験直前の卒業した後くらいの時期から、2週間に1回くらい一度解いた過去問をもう1回時間を計って解いて、最終的には一番直近の過去問でその当時の合格点は超えていたので、この調子でなんとかなると思って本番に臨んだという感じでした。最後バタバタしてしまって何とか守りきったという印象なので、択一対策は早めに始める方がいいと僕は思います。
質7:実際の修習や弁護士と、学生時代に持っていたイメージとの違いがありますか?
答7:修習では自分が想像していたよりもずっとやることが多く、あっという間の1年だったことしか覚えていません。弁護士に就いてからですが、学生時代に官澤先生の法曹倫理の授業をとっていまして、先生は、「弁護士はやりがいのある仕事だ」と授業中折に触れておっしゃっていましたが、本当にやりがいのある仕事だなと実感し始めているところです。刑事事件の国選弁護ならいきなり若手でもやることになります。うまくいかないこともいっぱいありますが、とにかく頑張ってやっていたのを相手も見てくれていたのかどうかわからないですけど、相手から感謝されたときは頑張ってよかったと本当に思いますし、うまく不起訴で終わった事件について感謝の電話がかかって来ることもあります。「ありがとうございました」という言葉が聞けるのはホントに嬉しいことです。ですから、皆さんも是非一度経験してみて欲しいです。
質8:就職活動について、昨今、弁護士の就職難が叫ばれている中で、実情はどうなのかを教えて下さい。
答8:弁護士の就職活動は、東京だけは少しカラーが違うので早め早めに動いて情報を集めていく必要がありますが、他の地方ですと、縁と運でなんとか頑張っていくというのが重要だと思います。事前に縁のある先生、もちろん東北大学ロースクールで教鞭をとられている実務家教員の先生方も含めて、事務所訪問をお願いして、都合のいい日に実際に事務所に行ってお話を伺い、そこでいろいろお話を聞いて、その後にお礼状を書くなりするという流れが一般的だと思います。
 もしすごく気に入った事務所であれば、また是非事務所訪問をしたいということを書いてもいいと思います。そのような感じで事務所訪問をして、自分のことを相手にも知ってもらい、自分も事務所のことを知るというのが就職活動の基本的なところだと思います。その事務所は採用しないということになった場合でも、知り合いの弁護士の先生を紹介してくれるように頼んでみたりとか、自分で公募しているところを探してみたりして手探りで探していくという感じだと思います。公募をしてなくても、取ってくれる事務所もあるとは思いますので、募集が少なくても全然気にせずに色々探してみるというのが大事だと思います。
 裁判官や検察官の任官については、修習中の起案の成績が重要になります。修習中に教官と何回か個人面談をしますが、そのときに任官希望と話して、そこで就職の話が出ることもあります。ですから、修習中に面談していく中で、裁判官なり検察官なり就職活動をしていくというのが主流です。
質9:就職活動の際に、ロースクールの成績や司法試験の成績はどの程度みられるのですか?
答9:弁護士の場合、成績を書く欄を履歴書とかのフォーマットで見たことはありましたが、成績を全く見られないところもあると思います。あとは、訪問のときに、どんな科目を選択してきたかというのは聞かれることはあるかもしれないです。

◆編集後記

 明日10月1日から、後期の授業が始まります。前期に引き続き、健康に気をつけて、充実した時間を過ごして頂ければと思います。

 今回は、押見和彦先生によるご講演「夢をかなえるために ―法科大学院でどう学ぶか―」の概要をお届けしました。
 講演概要の掲載にご快諾いただいた押見先生に心から御礼申し上げます。

(杉江記)

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発行:東北大学法科大学院広報委員会

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