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東北大学法科大学院メールマガジン

第44号 05/29/2009

◇オープン・キャンパス及び入試説明会

 東北大学法科大学院では,下記のとおり,オープン・キャンパス及び平成21(2009)年度東北大学法科大学院入試説明会を開催いたします(ホームページにも掲載しております。)。
 http://www.law.tohoku.ac.jp/lawschool/opencampus/

 日時:2009年6月27日(土)13:00-17:00(受付12:30〜)

 場所:東北大学片平キャンパス,法学研究科第1号棟(法科大学院棟)
 http://www.law.tohoku.ac.jp/lawschool/gaiyou/access.html
 (JR仙台駅から片平キャンパスまで徒歩約15分)

 プログラム
 1. 東北大学法科大学院案内
 2. 東北大学法科大学院入試・カリキュラムの説明
 3. 模擬講義
 4. 施設見学・個別相談・懇談会
 (詳細につきましては,ホームページをご参照下さい。)
 http://www.law.tohoku.ac.jp/lawschool/opencampus/

 参加を希望される方は,opencampus@law.tohoku.ac.jp 宛,住所・氏名・電話・模擬講義のクラス希望(既修者クラス/未修者クラス)を明記の上,事前にご連絡いただけると幸いです。

 ご連絡の際に,質問等あらかじめございましたら,お書き添えください。質問を提出していただいた場合には,できる限り資料等を用意したうえで,プログラム「個別相談・懇談会」等でお答えすることができます。

 東北大学法科大学院の受験を希望される方はもとより,法曹の仕事に関心のある方,法科大学院への進学を考えている方など,たくさんの方のご参加をお待ちしています。

 事前の申込をなされていない方も,当日のご参加を心から歓迎いたします。

◇連続講演会開催のお知らせ

 東北大学法科大学院では,これから夏にかけて,修了生・在学生・教職員を対象に連続講演会を企画しています。第1回は島田仁郎元最高裁判所長官にお越し頂けることになりました。またとない機会ですので,皆様ぜひご来場下さい。

第1回 6月18日(木) 10:30〜12:30
「裁判員制度について」
講師 島田仁郎元最高裁判所長官
場所 片平キャンパスさくらホール(※第2講義室から変更になりました)
http://www.law.tohoku.ac.jp/lawschool/gaiyou/access.html

連続講演会の第2回以降については,追ってご案内致します。

◇教員エッセイ

 今回は、東北大学法科大学院院長であり、実務民事法、リーガル・クリニック、民事執行・保全法を担当している坂田宏教授にご挨拶を頂きました。

ご挨拶

 東北大学法科大学院の院長を務めます坂田宏です。専門は民事訴訟法です。今日は、設置後6年目に入りました法科大学院ですが、その当初から副院長、そして院長として法科大学院教育について考えさせられるところが多かったように思います。

 法科大学院の教育は、特別新しいものではありません。従来、法学部で講義されていた内容と本質的には同じです。民事に関していえば、日常生活や社会的関係の中で起こってくる様々な紛争を法的にどのように評価し、いかに解決すべきかを学びます。しかし、実務を意識しながら実際の事実や事件を題材に法的思考に基づいた考え方を訓練することにおいては、従来の法学教育と一線を画すものです。

 ただ、気をつけていただきたいことは、マニュアル指向=正解指向の勉強では実際の事件に関する解答は出せないということです。今度は刑事の例を挙げますが、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者」は刑法236条の強盗の罪にあたります。これだけで済むならば、記憶することだけで事足ります。しかし、実際に目の前にいる被告人の行為が果たしてこの条文の構成要件にあたるかどうかを判断しなければならないとしたらどうでしょうか。被告の行為が恐喝と評価されたり、あるいは詐欺と評価されたりする場合もあるからです。いわゆる「あてはめ」の問題です。法科大学院の教育は、従来の学部で教授されていた法の基礎的知識をさらに徹底して修得してもらうことと、実務で最も重要である「あてはめ」の問題について、基礎的な法知識を応用し、高度なスキルによって実務のルーティーンを体得してもらうことを目標にすべきものだと考えます。

 ところで、法学あるいは法律学とは何でしょうか。

 まず、それは言葉の学問です。文字に表されたものを読み取り、熟考し、判決や様々の起案に再び表す。言葉に対する感性というのを磨く必要があります。インターネットでは体感できないものです。書物を繙くとき、キラキラと光るものを見い出します。

 また、法学は正義の学問です。現代は、正義の観念が非常に多様化しています。それゆえに、正義は定義できないと考える人もいるでしょう。また、自分だけが、いや自分こそが正義だとする不心得者が増えているようにさえ思えます。しかし、人間社会の幸福のために守られるべき純朴な正義という観念は、本質的に、古代から変わっていないというべきです。殺すな、盗むな、偽証するな、むさぼるなという法は、十戒の時代よりも前から、人類が築き上げてきた大いなる遺産です。ですから、正義を追求する姿勢を学び取ってほしいと思います。

 さらに、法学は人の学問です。法曹という専門職は、何の因果か、人と人とのトラブルの中に身を置いて、これを解決して職責を担うものです。人というものを理解する努力を怠っていては、よい法曹にはなれません。

 法科大学院生は、3年あるいは2年の間、法を学ぶことになります。この「学ぶ」の語源は「真似ぶ」であるとする有力説があります。法を学ぶことは、人に真似ぶことでもあります。東北大学法科大学院のスタッフは非常に充実しています。研究者教員は、それぞれの学会において研究の中核を担っており、最先端の議論にも通じています。実務家教員は、実務において一級の仕事に従事し、また従事していた経験をもっています。私は、このメールマガジンをお読みくださっているみなさんに申し上げたい。是非、様々な問題点にぶつかり、悩み、解決に至った経験を持ち合わせたこれらの教員に真似んでいただきたい。法を学び、人に真似ぶ法科大学院生として、優れた法曹を目指し、トライしてみませんか。

◆編集後記

 仙台三大祭の1つである青葉祭りも終わり、だんだんと緑が濃くなってきました。
 平成21年度より広報委員会のメンバーが交代しました。昨年度のメールマガジンは積極的な情報発信、必要な情報の適時提供、コンスタントな発行を心がけてきましたが、今年度も同様で参りたいと思います。ご期待下さい。

(杉江記)

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発行:東北大学法科大学院広報委員会

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