東北大学法科大学院

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東北大学法科大学院メールマガジン

第19号 07/09/2007

◇トピックス−メンタル・ケア講習会

 去る6月27日(水)夕方,片平キャンパスにおいて,法科大学院の学生の皆さんを対象としたメンタル・ケア講習会が行われました。

 会場となった第1講義室には,定員を上回る学生が参加し,急遽隣接演習室から椅子を借用したり資料を増刷する等の大盛況で,関心の高さをうかがわせました。午後6時30分,山元一教授による講師紹介の後,仙台市精神保健福祉総合センター(はあとぽーと仙台)臨床心理士の川口美穂先生による講演:ストレスマネジメントとメンタルヘルスに,学生は熱心に聞き入っていました。

 今回の法科大学院メールマガジンでは,当日参加できなかった方々のため,本号,次号において,メンタル・ケア講習会の概要を掲載します。

「ストレスマネジメントとメンタルヘルス」
     仙台市精神保健福祉総合センター 臨床心理士 川口 美穂

(講演者のご意向により,掲載を中止します。)

(次号に続く)

◇教員エッセイ

 今回は,環境省出身の西久保裕彦准教授に,環境法の授業についてお話をいただきます。

環境法の授業について
     東北大学法科大学院准教授(実務家教員・環境省)西久保 裕彦

 一昨年の夏、私が環境省から東北大学に出向し、法学部だけでなく法科大学院でも環境法の授業を担当するということを聞きつけて、環境省の口の悪い先輩たちは、「東北大学も向こう見ずなことをするものだ」「学生が可哀想」などと口々に心配を表明したところです。当の本人も、法学部生時代、最初は司法試験を目指していたものの、3年生になって短答式の試験を1回受けただけで公務員試験に転向してしまった過去を思い出し、若干のためらいが無かったと言えば嘘になります。

 しかし、ご安心下さい。本法科大学院の環境法の授業はしっかり設計されています。環境法T(前期2単位)は不肖私が担当して環境公法を中心に環境法の基本的な事柄を説明していますが、それではカバーできない環境私法、特に裁判例についての議論を中心に、早稲田大学の大塚直教授に夏期集中講義(環境法U)にお越しいただいています。言うまでもなく大塚先生は我が国の環境法研究者を代表する方のお一人ですので、大塚先生のお考えに直接触れることは学生にとって計り知れない価値があると思います。

 私の授業についても、出来の悪い教員なりにいろいろ工夫して授業を行っています。主なものを挙げてみましょう。

  1.  最初の授業で授業全体のオリエンテーションを行い、この授業では何を取り上げ何は取り上げないか、何回目の授業で何をテーマとするのか、筆記試験などの成績評価はどのような考え方で行うのかを明らかにしています。
  2.  環境省出身の実務家教員であるという特性を活かして、規範としての環境法だけでなく、その前提となっている事実としての環境問題についても説明することにしています。例えば、地球温暖化に関する法制度を説明する際には、地球温暖化とはどういう問題で科学的に分かっていることはどこまでなのか、についても併せて説明しています。また、環境法は解釈論だけでなく立法政策論の側面が非常に強い法分野なので、霞ヶ関で法律や政策を企画立案するとき実際にはどういうことを行っているのかについても、できるだけ触れるようにしています。
  3.  環境法は非常に広範な法領域ですので、その全体像を半年週1回の授業で伝えようとすると、学生との双方向性を確保した授業を授業時間内で行うことは不可能です。このため、授業終了後コメントシートで、またはメールで質問や意見を出してもらい、それについて原則として次回講義で回答を配布しています。
     他の受講者がどんな質問をしたのかが分かるように、質問と回答は全ての質問について受講者全員に配布していますので、今年度のように受講者が80名近くいて毎回質問が20問以上あると回答作業も結構時間がかかりますが、鋭い質問であれば、その回答を考えるのは大変勉強になりますし、鋭くない質問であれば自分の説明の至らなさが分かるので、どんな質問でも学生にとってだけでなく私にとっても大変有益です。
  4.  毎回の授業におけるレジュメ等の配付資料と質疑応答は法科大学院の在校生用ホームページにpdfファイルの形で掲載し、万が一欠席した学生にも利用できるよう配慮しています。
  5.  授業期間中に2回レポート提出の機会を作っています。このレポートの目的は、一つには期末の1回だけの筆記試験では成績評価に限界があるので、それを補うということであり、二つ目には、法科大学院生に限らず最近の学生は日本語作成能力が不十分なので、実際に書く機会を作ることによって文章作成能力の向上を目指すということです。法科大学院生に対するレポートの課題は、新司法試験に実際に出されている問題と同程度のものとし、提出されたレポートについては、それぞれのレポートについて良かった点と改善を要する点を学生に伝えています。(昨年実際にレポートを読んだ経験では、改善を要する点は幾らでも見つかるのですが、良かった点を探すのは結構苦労しました。でも今年はもっと良いレポートが出てくるものと期待しています。)

 行政官は、毎日毎日、批判し批判されながら(あるいは批判され批判されながら)仕事をしているのですが、大学教員は研究面はともかく教育については意見をもらったり批判されるという機会が少ないので、特に注意が必要だと感じています。この点、授業を受講した学生たちが書いてくれる授業評価シートなどのコメントが大変参考になります。もちろん意見をいただいても出来ないこともたくさんありますが、学生からの意見は授業改善のきっかけとして非常に重要です。学生のみなさん、どんどん意見を言いましょう。

 最後に、これから法科大学院を目指すみなさんに一言申し上げたいと思います。大学院に入学した後は法学の勉強に専念することになるわけですが、法曹として実社会で活躍するには法学に限らない幅広い知識と経験が必要です。法学の知識だけあって、それ以外のことは何も知らないということでは、法曹として立派に仕事を行っていくことは困難だと思います。

 したがって、社会人経験をお持ちの方は別ですが、学部から直接法科大学院を目指す方には、学部時代は法学の勉強だけでなく(それももちろん必要ですが)、経済学などの社会科学や文学、自然科学などについても幅広く勉強されるとともに、できればボランティアなどの活動を通じて実社会における問題にも直接関わっていただければと思っています。このような知識や経験は、長い目で見れば決して無駄にはならないものです。

 優秀な学生のみなさんが東北大学法科大学院で学ばれ、立派な法曹として社会に出て行くお手伝いが少しでも出来れば良いと思いながら、日々の仕事に取り組んでいるところです。

◆編集後記

 今回は,メンタル・講習会の前半をお届けしました。日頃ストレスの多いであろう法科大学院の学生の皆さんにとっては,そもそもストレスとは何か,ストレスマネジメントの考え方,ストレスが深刻化しないための対処について知る絶好の機会であったと思います。次回は,セルフチェックの評価とともに,将来,法律の実務家として,クライエント等ストレス状態にある人々に適切に対応するためのてがかり等についてご紹介します。

 また,教員エッセイは環境法の西久保先生にお願いしました。西久保先生は本学公共政策大学院でもご活躍され,またブログも書いておられますので,ご興味の方はご覧ください。

(平塚記)

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発行:東北大学法科大学院広報委員会

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