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平成19(2007)年度 東北大学法科大学院入学試験(第2次選考)小論文試験

平成18(2006)年11月25日実施

〔問題〕

 次の(A)・(B)二つの文章((A)はアメリカ合衆国,(B)は日本についての文章である)を読んで,それぞれの主張とその根拠をまとめなさい。そして,それを踏まえた上で,日本の「格差社会化」についてどのように考えるのかについて,あなたの主張をその根拠とともに論じなさい。

(A):「所得の不均衡は悪いことばかりではない」(ゲーリー・S・ベッカー=ギティ・N・ベッカー『ベッカー教授の経済学ではこう考える』(1998年,東洋経済新報社)73-76頁)
(B):「『格差社会』の流れの中で」(徳島新聞2006年1月1日付社説)

〔出題の意図〕

東北大学法科大学院は,法的思考に対する適性と正義・公正の価値観を備えた者を学生として受け入れることを理念としている。小論文試験では,法的思考を身に付けるのに必要不可欠な能力,すなわち資料を正確に理解し,分析し,要点をまとめ,それを文章へと構成する力を評価することを目的としている。なお,法学の専門知識を問うものではないため,資料に現れていない法学専門知識に基づく論述は,特別の加点対象とはされていない。

問題の前半部分は,近時議論の対象となることの多い,いわゆる「格差社会」現象について,賛成・反対の様々な論拠を整理・検討することが求められている。受験者には,(A)(B)を正確に読解したうえで,その内容を適確に要約することが要求される。

問題の後半部分は,この要約を踏まえた上で,「格差社会」現象についての受験者自身の分析を提示することが求められている。ここでは,単に資料を読んだだけでは解答することができず,受験者の分析力,論理的思考力,そして文章構成力を試す出題内容となっている。

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