プロジェクト「多文化共生とジェンダーをめぐる国際法規範の国内的履行と国際紛争の平和的解決メカニズムの実証的研究」

「多文化共生とジェンダーをめぐる国際法規範の国内的履行と国際紛争の平和的解決メカニズムの実証的研究」

Key questions

  • このグローバル化された現代国際社会における国際法規範の新たな役割と新たな機能は何か?
  • グローバル化は国際法と国内法の関係にいかなる変化をもたらしたか?

研究の目的と方法

本研究プロジェクトは、多文化共生とジェンダーをめぐる現代国際社会の法規範がどのような形で国内法秩序の中に位置づけられ、その具体的な履行が図られているかに関して、国際法秩序と国内法手続との接合と交錯に注意を払いながら、複眼的・総合的な視点からこれを実証的に検討し、理論的な整理を行うことを目的としています。同時に、多文化共生が必須となったグローバル化された現代の国際社会において、国際法規範が国際紛争解決の新たな枠組みとしていかなる実際的機能を果たしているかを明らかにし、グローバルな多文化共生時代における国際法の新たな役割に光を当て、理論的な再検討と問題提起、そして一定の理論的提言を行うことを目指しています。

そのための具体的な検討素材としては、(1)女子差別撤廃条約や国際人権規約等の国際人権法の分野、(2)国際刑事裁判所(ICC)規程をはじめとする国際刑事法の分野、(3)グローバルな経済活動や貿易等をめぐる国際経済法や経済法の分野、などが挙げられます。また、(4)地球規模での法的及び政策的対応が要請されている国際環境法や環境法の分野、(5)資源開発や漁業問題、海洋環境の保全など広範な争点をもつ海洋法の分野、なども重要な検討対象となります。

検討に際しては、国内における裁判手続や行政手続等と国際平面における紛争解決手続との相互関係を視野に収めながら、国内法秩序と国際法規範の連関と交錯の実相を明らかにし、国際法研究者と国内法研究者の協同作業、そして国境を越えた研究者間の討論と意見交換等を通じて、多文化共生時代に適合的な法規範と法制度の構築のための理論的基盤を探究したいと考えています。

研究計画

2009年度は、7月に開催されたGCOE月例研究会において本プロジェクト代表者による報告及びそれに基づく討議を行い、10月に開催された萩セミナーでは本プロジェクト主催のミニ・シンポジウムを開催して、そこで発表された研究成果の一部をGCOEジャーナルに公表しました。また、12月には「女性差別撤廃条約採択30周年と日本の課題――CEDAW総括所見のフォローアップをめぐって」と題する研究会を東京で開催し、国際人権規約や女子差別撤廃条約の国内的履行確保のあり方について各分野の専門家による掘り下げた討論を行いました。

2010年度には、定例の研究会等を通じて前述の(1)~(5)の各分野における国際法規範の国内的履行に関する実証的研究をさらに進化させる予定です。特に、(5)の海洋法の分野に関しては、日本近隣のアジア諸国の専門家を招いて国際ミニ・ワークショップを開催し、東アジアにおける海洋法の国内的履行に関する実証的な比較考察を行うことを計画しています。

 


 

プロジェクト責任者

植木 俊哉

所属

東北大学理事(大学院法学研究科・併任教授)

専門領域等

国際法

業績

リスト

 


 

メンバー

氏 名 所 属
山下 泰子 文京学院大学外国語学部(名誉教授)
河崎 祐子 東北大学大学院法学研究科(准教授)
滝澤 紗矢子 東北大学大学院法学研究科(准教授)
坂本 一也 岐阜大学教育学部(准教授)
田中 清久 愛知大学法学部(助教)
小野 昇平 東北大学大学院法学研究科(助教)
猪瀬 貴道 東北大学大学院法学研究科(助教)
朴 基甲 高麗大学法科大学校(韓国)(教授)
張 新軍 清華大学法学院(准教授)
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