プロジェクト「アジアのジェンダー平等政策と課題」

「アジアのジェンダー平等政策と課題」

Key questions

  • アジア諸国のジェンダー平等政策の現状と課題は何か?
  • 比較研究の中でアジアのジェンダー平等政策の普遍性と特殊性を明らかにすることは可能か?

研究の目的と方法

グローバル化のもとで性差別や女性の人権侵害が拡散し、南北格差や社会格差の拡大によって多くの女性が性的人権侵害の被害者となっています。これに対してアジア諸国でもジェンダー平等政策を強化していますが欧米先進諸国に比べて必ずしも十分でなく、その現状や課題に対する情報も不足しています。さらに、諸国の状況を各論的に分析するだけでなく、アジア全体を見わたす視点から、性別のみならず人種・宗教・文化などを加えた多文化共生の視座に立って、アジアの平等政策の現状と課題を総合的に分析することが急務です。

そこで本プロジェクトでは、欧米先進国や日本のジェンダー平等政策との比較という視点をふまえて、アジアのジェンダー平等政策に含まれる普遍的な政策課題を抽出し、経済・社会のグローバル化のもとでの女性労働者や性業女性等に対する性支配の根源ともいえる文化的・宗教的・制度的要因等を明らかにします。同時に、アジア各国のジェンダー平等の実情や取組みを検討し、その特殊性を解明することをめざします。

そのため、ジェンダー法学や社会学的なアプローチを中心に、憲法・刑法・社会学・国際政治学等の視点から、アジア諸国で問題になっている女性の人権侵害、DV、人身取引、移民労働者問題、さらには韓国で導入された国会議員選挙のクオータ制の問題点など、さまざまな政策課題を分析して、日本の男女共同参画政策に活かすことをめざします。

研究計画

このプロジェクトでは、アジア諸国のジェンダー平等政策と課題について、内外の研究者との共同研究を通じて、欧米先進国や日本の政策・理論との比較という視座も含めた研究成果を得ることを目的としています。そのため、2009年度5月にフィンランド大学で開催された国際シンポジウムGendering Asia Conferenceで基調講演を行ってアジアの研究者とのネットワークを目指しました。また、同年10月の萩セミナーの際に、中国社会科学院、韓国梨花女子大学・インディラ・ガンジー国立公開大学等アジア諸国の中心的な研究者(韓国元大臣を含む)を招聘し、日本の研究者も交えて、アジアのジェンダー平等政策についての比較研究を行いました(37頁参照)。また、同年9~10月にも、ドイツヒルデスハイム大学で開催されたアジアにおける女性と政治(WPA2009)という大規模な国際シンポジウムに参加して、日本の政治参画について報告し、アジア諸国の参加者と討論を行いました。2010年度には、イスラム諸国に焦点をあてた国際ワークショップや 実地調査など開催し、これまでの成果をまとめて、出版準備を行う予定です。

 


 

プロジェクト責任者

辻村 みよ子
(拠点リーダー)

所属

東北大学大学院法学研究科・教授

専門領域等

憲法・比較憲法・ジェンダー法学

業績

リスト

 


 

メンバー

氏名 所属
大沢 真理 東京大学社会科学研究所(教授)
田中 重人 東北大学大学院文学研究科(准教授)
木本 喜美子 一橋大学大学院社会学研究科(教授)
橋本 ヒロ子 十文字学園女子大学(副大学長)、人間生活学部(教授)
土佐 弘之 神戸大学大学院国際協力研究科(教授)
稲 正樹 国際基督教大学教養学部(教授)
鮎京 正訓 名古屋大学大学院法学研究科(教授)
蘇 恩瑩 韓国憲法裁判所(研究員)
澤江 史子 東北大学大学院国際文化研究科(准教授)
金 善旭 梨花女子大学校(総長)、法学部法科大学院(教授)
全 敬玉 淑明女子大学校人文社会科学学科(教授)
朱 暁青 中国社会科学院法律研究所ジェンダー法センター(所長)
Maria Rosario PIQUERO-BALLESCAS 東洋大学国際地域学部国際地域学科(教授)
Nilima SRIVASTAVA インディラ・ガンジー国立公開大学ジェンダーと開発学研究科(准教授)
Jackie F. STEELE 東京大学社会科学研究所(准教授)
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