東北大学
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田中千絵さん

留学先:ウプサラ大学(スウェーデン)
期間:2006年8月~2007年6月

Study in SWEDEN No.1

 ちょうど1年前の今頃、交換留学の書類に希望大学を『ウプサラ大学』と記して書類を出願しました。それから1年、今は希望していたその大学で留学生活を送っています。私の留学生活についてレポートする機会をいただきましたので、何回かに分けて書かせていただきます。今回はスウェーデン・ウプサラについて。

 スウェーデンについてはほとんど知識がないまま留学しましたが、実際に生活してみるとすごく暮らしやすくていい国だと感じます。福祉国家といわれるだけあると思います。人も温かく、母国語はスウェーデン語ですが、多くの人は英語も十分に話せます。話せるのですが、街の中の表示はほとんどスウェーデン語。わからないと何かと不便なので、今スウェーデン語の授業も受講しています。あとは寒さが問題かと。11月にはいって日増しに寒くなっています。初雪も降り気温も上がらず、日が沈むのは15:30という状況なので、出かけるのが億劫になることもしばしば。

 ウプサラという街ですが、スウェーデンでは4番目に大きい街です。首都ストックホルムからバスで約1時間、電車だと30分くらいの距離にあります。大学の街という感じで、街のいたるところに大学の施設があります。キャンパスという概念がなく、しいて言えば街全体がキャンパスという感じ。大学生に対してすごく寛容な街だなぁと感じています。ウプサラ大学についてですが、この大学はスウェーデンで1番最初に創立された大学で、非常に長い歴史があります。(1477年創立) 歴史が故かはわかりませんが、毎年12月13日にノーベル賞受賞者の方の講義が行われます。ほとんどの賞の受賞者の方が一堂に会する機会というのは、世界中でここだけだと、International Officeの方が言っていました。今年ももちろん行われるのでとても楽しみです。運がよければノーベル賞の授賞式そのものにも参加できるとのこと。できることなら行ってみたいのですが、これだけは神のみぞ知るという感じです。

 まだまだ書きたいことがあるので、まだまだ続くことになりそうです。興味がある方はお付き合いください。次回は授業のことを書いていきたいと思います。

Study in SWEDEN No.2

 こんにちは。スウェーデンレポート、第2弾をお送りします。最近のスウェーデンは雪も多く、気温もだいぶ下がっています。これでもまだ今年は暖かいらしいのですが…。さて、今回は勉強についてレポートさせていただきます。スウェーデンの授業のシステムは非常に独特だと思います。いくつかあげていきましょう。

1)基本的に、複数の授業を同じときに受けることが出来ない。

 だいたい1タームが約1ヶ月間で、その間は原則1つの授業だけを受けることになります。授業によっては2ヶ月間かけるものや、セメスター通して1つの授業をやる場合もあります。私の場合、秋セメスターはDepartment of Governmentという、日本でいう政治学部に所属して、Swedish Politics, International Politics, Comparative Welfare States の3つを受講し(各1ヶ月)、それとは別にスウェーデン語の基礎講座(セメスター通して)も受講していました。1月中旬から始まった春セメスターは、Department of Law(法学部)に所属し、Law and Gender, Law and Psychologyの2つを(各2ヶ月)、それに加えてGenocide and Massive violenceという授業(1ヶ月)も受講します。このセメスターは少し多く授業をとったため、一時的に複数の授業を同時に受けることになる予定です。

2)授業の回数が非常に少ない。

 文系か、理系かにもよりますが、私の場合は多くても週に3日しか授業がありません。1回の授業も105分(うち15分は休憩)なので、客観的にみると非常に楽なように感じます。しかし、実際はまったく楽ではありません。授業がない分、とてつもない量のreadingを課されます。英語が母国語ではない日本人にとっては本当に大変です。(ちなみに留学生向けの授業は英語で開講されています) 時間に融通が利くのは非常に良いのですが、気を抜くとすぐに授業についていけなくなります。最近の私は日曜日に図書館に通っています。

3)テストの形式がいろいろある。

 前のセメスターはすべて記述試験でした。日本と同じような形式です。しかし違うのはその時間の長さ。1回のテストが4時間です。長いように感じるかもしれませんが、書いているうちにあっという間に終わってしまいます。

 次の試験はtake home examといって、試験問題をメール等で渡され、期日までに(1日~3日後くらい)解答を書いて提出するという形の試験です。こちらはまだ自分では体験していませんが、友達を見ている限り大変さは記述試験と変わらない気がします。

 そのほかに口述試験もあります。こちらもまだ体験していませんが、今回の授業で行われる予定なので少々不安です。

 まだまだ説明したいことがあるのですが、それはまた次回ということで…。こちらに来て思ったことは、学生がみな主体的に勉強しているということです。日本でまったくというほど主体性のない学生だった私にとってはとても刺激になりました。この感じをぜひ肌で感じてほしいと思います。留学に興味がある方は、やはりまずは挑戦してみるべきだと思います。

Study in SWEDEN No.3

 こんにちは☆スウェーデンレポート最終号です。私自身の帰国ももう直前に迫ってきています。10ヶ月という期間があっという間に終わっていくのを強く感じています。今回は最後ということで、私がスウェーデンで留学生活を送った中で感じたこと、体験したことなどを少し紹介したいと思います。

1)リンネの生誕300周年

 これはわりと最近体験したことなのですが、今年は植物学者リンネの生誕300周年の年で、そのお祝いのセレモニーがウプサラ大学で行われました。その際、日本の天皇皇后両陛下も来賓としていらっしゃり、特別にお話しする機会を設けていただきました。今年はスウェーデンが国中でリンネのイベントを行っているのですが、特にウプサラが1番大きいお祝いをするということで日本の天皇皇后両陛下もいらっしゃったのでした。日本でもあるかないかの機会を設けてくださったInternational Officeの方には本当に感謝です。

2)文化・習慣の違い

 これは感じたこと。いい意味でも悪い意味でも、自分が”日本人”であることを感じさせられた10ヶ月でした。育った国の文化・習慣というのは、自分が自覚してなくてもやはり染み付いているものなのだと思います。寮生活でほかのたくさんの国の人たちと生活し、たくさんのことを感じ、たくさんのことを考えさせられました。寮生活がある意味世界の縮図であったような感じです。これからグローバル化が進んでいく中で、ほかの文化・習慣に対してより寛容になっていくことが求められている気がしました。しかしその中でも、自分が日本人であることは絶対に忘れずに、日本人としてのプライドを持って過ごすことが必要なのだと思います。

3)勉強に対する姿勢

 これは前回のレポートにも書きましたが、こちらで勉強するに当たり強く感じ、実際に体験したことです。こちらの勉強は主体性がとても重要であり、それがないと単位をもらうことはおろか、授業に参加することすらままなりませんでした。日本の大学生にはかけている部分なのではないかと思いました。(少なくとも日本にいるときの私にはかけていました。) 学ぶということに対する意欲、興味関心のあることを追求しようとする気持ち、そういうものを私はスウェーデンで学びました。主体性を持って勉強するよう、日本に帰ってからも心がけたいと思います。(それが難しいとノーベル賞受賞者の野依さんには言われましたが...)

 以上、特に3点書かせてもらいました。ただ日本で生活しているだけでは決してわからなかったことではないかと思います。この10ヶ月は、もちろん楽しいことだけではなかったですし、つらいこともたくさんありましたが、こんなに充実した10ヶ月を過ごしたのは初めてでした。留学させてくださった大学関係者の皆様、両親や家族、そして支えてくれた友達など、私の留学にかかわってくださったすべての方に感謝いたします。ありがとうございました。

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