東北大学
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髙橋真弘さん

留学先:カリフォルニア大学サンディエゴ校(アメリカ合衆国)
期間:2021年9月20日-2022年6月10日

 

 私は 2021 年 9 月から 2022 年 6 月までの約 10 ヶ月の間、北米のカリフォルニア大学サンディエゴ校で交換留学を行いました。サンディエゴという地域は、気候が温暖で過ごしやすく、ビーチも多いためウォーターアクティビティがかなり盛んです。また、様々な人種の人々が住んでいるため、食文化も多様な点が特徴です。留学期間中は、I-HOUSE という学生寮に現地学生 2 人と、同じくイギリスから交換留学に来た学生、そして私を含めた 4 人で共に生活しました。休日にはよくバレーボールや料理、映画鑑賞を一緒に行うなど留学期間の多くの時間を共有しました。その中で、語学面が最初の課題でした。私以外が英語を母国語とする国出身であり、日常会話の中の英語特有のスラングやイディオムが私にとって最大の障壁でした。そこで私は会話の際のこうした表現をメモし、実際に使用することで自らの語彙を増やすことに努めました。今振り返ると、こうした地道な取り組みが、スピーキングとリスニング能力の向上に繋がったと感じています。学業面では、政治学を専攻し、留学期間中は政治学とそれに関連する科目を中心に履修しました。さらに学業以外では、インターナショナル学生団体やボランティア団体等の組織にも参加し、積極的に異なるバックグラウンドを持った多くの学生と交流できるよう努めました。そして、その活動の中で特に仲を深めた学生と共に、アメリカ本土に加えメキシコにも旅行しました。講義から離れたこうした経験により、その国の文化や国民性、街全体の雰囲気や問題点等をより肌で感じることができました。

 ここからは、留学で学んだ学問に関する内容について述べます。私は留学期間中に学問として、政治学・心理学・社会学を中心に学習しました。他にも、コロナウイルスへの関心から、Global Health という学問も履修しました。ここでは特に、専攻である政治学と多く履修した心理学について言及します。政治学については、アメリカ政治学と国際政治学を中心に学びました。アメリカ政治学では特に、アメリカの憲法の成り立ちと解釈、アメリカの過去から現在に至る政治的問題とその問題に対する議会や政府の動向を学びました。国際政治学では、国際社会に目を向け、紛争やテロリズム、国際金融システム等の問題とそれに対する国際組織(U N や I M F)の対応、今後の解決策等を学びました。また、ロシア・ウクライナ紛争を受けて、それに関する Essay 課題も出されました。講義では教授や T A の話す内容の要点をまとめ、参考文献や論文を読み、ディスカッションで自らの意見や他の解釈を議論するという流れが中心でした。文献の量が多く、ディスカッションも当然英語で議論しなければならないため、毎回の予習が欠かせませんでした。また、政治学は選択問題形式というより、むしろ論文形式のテストのため、より深く学び、そして自らの立場を明確に示すことが重要であり、求められるポイントでした。非常に大変でしたが、努力した分、政治学という学問、そして過去の事例に基づいた政治的問題に対するアプローチについて学びを得られたように感じます。次に、心理学においては、認知心理学や発達・社会心理学を学びました。人間の行動プロセスや動機、認知機能について心理学的観点から学習し、また、講義の中での実験により実践的に講義内容を学ぶことができました。心理学を履修した理由としては、政治学と関係があるように思うからです。政治学において、各国の代表や権力者、そして戦争やテロリズムの首謀者はみな等しく人間です。したがって、彼らの行動や判断には全て動機が伴い、それぞれに独自の目標や利益が存在します。つまり、その内面的なプロセスや行動心理のメカニズムを学ぶために心理学を履修しました。心理学を履修したことで、人間の行動原理や物事の認識・判断の仕組み、無意識領域の事柄について学ぶことができました。この心理学で学んだ内容を政治的問題や、より幅広い日常的な事象に応用できるように努めたいと思います。今後は、留学における学問のなかで学んだ内容を他の学問や生活の面で関係付け、または応用し、1つの物事を表面的にのみではなく、より深く多角的な視点で捉えることを意識したいと思います。

 今回の留学により、語学や学問的知識はもちろんのこと、多くの人々との繋がりを通して、その国独自の文化や慣習に触れ、また異文化に適応する能力を身につけることができたと感じています。現在留学を志している皆さんには、困難さえも自己成長のチャンスと捉えて、最大限に楽しみながら充実した留学生活を送ってほしいと思います。

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