東北大学
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駒宮寛子さん

留学先:ウプサラ大学(スウェーデン)
2014年8月~2015年6月

 私は、2014年8月から東北大学の交換留学制度を利用して、スウェーデンのウプサラ大学に留学しています。留学してから4ヶ月しか経っていませんが、留学体験をお伝えする機会を法学部からいただきました。今回は、留学に至った経緯、留学先の授業などについてお伝えしたいと思います。

 留学を決めたきっかけは、2年生のときに受験したTOEFL ITPと呼ばれる英語の試験でした。自分の英語力を試すために受験したのですが、幸運にも留学条件を満たすだけのスコアを取ることができたのです。せっかく条件を満たしているのだから留学しよう、と考えたのが始まりでした。東北大学は留学説明会や留学相談が充実しているため、情報を充分に集めたうえで、留学先をウプサラ大学に決めることができました。

 スウェーデンは、北欧国家のうちのひとつで、首都はストックホルム。国土の大きさの割に人口が約900万人と少ないため、都市から一歩出ると長閑な田園風景が広がります。日本では福祉国家として有名ですが、他に特徴を挙げるとすれば、移民政策と英語教育が挙げられます。スウェーデンは、移民を積極的に受け入れていることから、たくさんのアジア人が国内で生活しています。そのため、アジア人だからという理由で差別されることはほとんどありません。また、スウェーデン人は小学生のころから英語の教育を受けるため、英語を流暢に話すことができます。私は全くスウェーデン語を知らないまま留学しましたが、会話では英語を使用するので日常生活に支障はありません。この2つの特徴から、居心地がよく住みやすい国だと感じています。

 私が留学している大学は、ストックホルムから北に70kmのところに位置するウプサラという都市にあります。スウェーデンで4番目に大きい都市ですが、人口はたったの20万人程度。そのうち約4万人がウプサラ大学の学生、かつ他にもいくつか大学があるので、「学都ウプサラ」と言えるでしょう。ウプサラ大学は北欧最古の大学で、数多くの分野、例えば平和と紛争の分野で世界最先端の研究をしています。そのためか、昨年はノーベル賞を受賞した方が講演に来てくださいました。

 さて、授業についてですが、日本とは授業の取り方が大きく異なります。複数の授業を同時並行で履修する日本の大学と違って、ウプサラ大学では、1ヶ月から2ヶ月の間、1つの授業のみを履修するのが一般的です。授業は、たいてい講義とセミナーの2つからなり、セミナーでは主に少人数のディスカッションが行われます。セミナーでは、あらかじめ指定された論文を読み、それについての意見を考えたうえで参加することが求められます。ときには、レポートやプレゼンを課されることもあります。そのため、授業数は週に4コマ程度と日本の大学に比べれば少ないですが、授業のない時間は自習しており、勉強量は日本にいた頃とあまり変わりません。私は、留学してからの4か月間、発展途上国の開発に関する授業を中心に履修しました。授業を受けるなかで、驚いたことが1つあります。それは、実に多様な意見があるということ。例えば、発展途上国に対する援助について議論したとき、先進国からの留学生は「援助する側」の視点から意見を述べるのに対し、途上国からの留学生は「援助される側」の視点から意見を述べていました。異なるバックグラウンドを持てば、物の見方も当然違うということを実感しました。多様な意見に触れることは、それ自体新鮮であると同時に、私の視野を広げてくれたように思います。

 勉強のことを中心に書きましたが、もちろん勉強ばかりしているわけではありません。授業のない日は友人にスウェーデン語を教えてもらったり、運動不足解消のためにジムに行ったりしています。また、休暇を利用して一人旅にも挑戦しました。

 私は、安易な理由から留学を決意しましたが、勉強面でもそれ以外の面でも留学をしてよかったと感じています。少しでも留学に興味があれば、思い切って飛び込んでみてはいかがでしょうか。この文章をきっかけに留学に興味を抱いてもらえれば幸いです。

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