東北大学
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加茂田優さん

留学先:ウプサラ大学(スウェーデン)
期間:2019年8月~2020年3月

 私は、学部3年生時に東北大学の交換留学制度を利用して、スウェーデンのウプサラ大学に留学していました。ここでは、大きく4つの項目に分けて、私の留学生活全体をお伝えしたいと思います。法学部ではカリキュラムや単位互換の関係などから長期留学を志望する学生が少ないようですが、長期留学で得られる経験や思い出は、間違いなく自分の人生の財産になります。私の体験談で少しでも留学に興味を持ってもらえたり、留学を考えている人の参考や手助けになったりすれば嬉しい限りです。

留学の動機

私が留学したいと思った最初のきっかけは、小学校の時から習い続けていた英会話の影響でした。英会話教室や学校の行事を通して英語を話すことの楽しさ、外国人と英語で交流することの面白さなどを実感し、月並みですが長期留学で自分の英語力を向上させたい、と思ったのが始まりです。東北大学の交換留学制度は、約1年間現地に滞在できる制度であるため、日本の慣れ親しんだ環境を離れて英語を日常的に使って向上させるには最適の期間であると判断しました。さらに、現地の大学で自分の学びたい分野に関する授業を受講できるという、語学研修を上回る内容であるため、交換留学制度を活用しようと決めました。次に、自分の学びたい分野について決める際に、かつてより興味関心があった男女平等問題(男女共同参画など)について、その分野において世界的に先進している国で学びたい、と考えました。英語力の向上と男女平等に関する学び、この2つの希望実現に適していると判断したのが、スウェーデンのウプサラ大学でした。

ウプサラ大学の授業

 留学先のウプサラ大学は、北欧最古の大学であり、世界の1,000以上の大学と連携して様々な分野について約3,000の共同研究をおこなっていると言われています。このような伝統ある、規模の大きい大学ということもあり、毎年多くの留学生を受け入れています。そのため英語開講の授業がとても豊富でした。私は、興味分野である男女平等に関する授業はもちろん、他にもスウェーデンの政治学やスウェーデンの経済史、SDGs(持続可能な開発)に関する授業などを受講しました。男女平等に関する授業では、主に経済発展と男女不平等の関係について学習し、世界の各国の問題状況を調べたり、改善に向けた取り組みなどは現在どのようになっているのか、などについてディスカッションしたりしました。授業を通して得た知識はもちろんのこと、ジェンダー先進国とも言われているスウェーデンのジェンダーに関する教育を体験できてよかったです。他の授業に関しても、東北大学で普段学んでいる授業とは離れたトピックであることは新鮮でしたし、日本では大学院に進学しないと深く学ぶことができないような分野について触れることができていい経験となりました。ウプサラ大学のカリキュラムは一般的に1つの授業を約1ヶ月で完結させる、言い換えると、1ヶ月間複数の授業をかけ持たずに1つの授業に集中するという形式だったので、一つ一つの科目に深く集中することができました。また、ほとんどの科目に討論する回が複数設けられているので、他の学生と深く議論するという密度の濃い時間も過ごすことができました。

普段の生活や交流について

 普段は、ウプサラ大学の留学生が利用できる寮で生活していました。寮にも色々な種類がありましたが、私の生活した寮は学生収容人数が最大の寮で、12人で一区画としてキッチンや冷蔵庫をシェアしていました。勉強机とシャワー・トイレは個室に付いていたので、完全な共同生活のスタイルではなかったですが、一緒に料理や食事しながら色々なことを話したり、夜にカードゲームや映画鑑賞をして遊んだり、協力して掃除やゴミ出しをしたりというふうに、授業以外の時間も寮で一緒に暮らす仲間と家族のように関わって、たくさんの思い出を作れたことも留学生活の1つの醍醐味でした。

課外活動

 留学期間中に挑戦したいこととして掲げていたのが、「日本文化の紹介」と「ヨーロッパ旅行」です。「日本文化の紹介」として、ウプサラ大学の学生団体の協力のもとで、書道と折り紙の体験そして茶道の紹介と共に和菓子と抹茶を振る舞う、というイベントの企画・運営をさせていただいたり、スウェーデンを舞台のモデル地としたと言われている「魔女の宅急便」を英語字幕で鑑賞するイベントを開催したり、寮のみんなと寿司パーティーをしたりしました。たくさんの現地の方々や留学生がイベントに参加して楽しんでくれたことから、日本文化に対していかに外国人が興味を持っているのかを身を持って知ることができ、紹介した私の方も魅力を再発見できました。「ヨーロッパ旅行」に関しては、私が今までヨーロッパに行ったことがなかったため、数々の世界遺産や有名な観光地に実際に行くことで、今まで抱いてきたイメージや前提知識と差異があるのか、他の国と比較した際に自分がどのようにスウェーデンのことを考えるのか、また母国である日本をどのように認識し直すのか、ということを確かめたいと思いました。実際にデンマーク・イギリス・イタリア・ポーランド・ドイツ・フランスを旅行しましたが、それぞれに違った魅力があり、自分の人生における良い社会勉強になりました。

最後に

 留学生活の思い出や経験を通して、自分の将来のビジョンについてはもちろん、海外諸国に対する考え方、文化や生活習慣の多様性の尊重、通用するコミュニケーションなどに関して、私のこれまでの考えが変わりました。楽しいことだけではなく、辛いことも乗り越えて実際に自分で経験して初めてわかったことがたくさんあります。そしてこの留学を通してたくさんの素敵な人と出会えました。新型コロナウイルスの関係で帰国が予定より早まったことから留学期間は短くなってしまいましたが、振り返っても後悔することは1つもありません。それだけ全力で毎日を過ごしました。この留学で得た貴重な財産を胸に、今後も一日一日大切に過ごしていきたいと思います。私の留学に関しまして、ご指導・サポートしてくださった東北大学の先生方には深く感謝申し上げます。留学に興味があるまたは留学をしてみたいという学生のみなさんは、情報収集や留学相談の活用を通してぜひチャンスをつかんでいただければと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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